防犯カメラの性能と機能を知る

防犯カメラ性能機能を知り、屋外用、屋内用、家庭用、業務用といったカテゴリに応じた機能や価格帯によって、今どんな防犯カメラを付ければ良いのかということを紹介。

 

防犯カメライメージ

近年防犯カメラの性能が格段に上がっている。その要因としてやはり中国メーカーの台頭が挙げられる。

業務用であれ家庭用であれ外見はほとんど変わらないのに価格が違うのは、内部の性能差があるからだ。

そのカメラ本体の性能を現わすのに3つの項目に注目してもらいたい。

  1. イメージセンサー(画像素子)の性能
  2. レンズ等の光学機器の性能
  3. 耐久性

 

@イメージセンサー(画像素子)の性能
昔のフィルム式のムービーカメラと違い、現代では被写体をデジタルデータに変換する必要がある。
イメージセンサーはカメラが捉えた被写体を電気信号に変換する半導体のことで、値段が高い業務用防犯カメラなどはこのイメージセンサーの性能が高いのと、そのセンサーから得られた情報を処理するチップの性能が高いため価格が高い代わりに高品質な映像を残すことが出来る。

一般的にイメージセンサーの大きさと性能は比例すると思ってよい。

最近の防犯カメラはフルHD(1920×1080)に対応した製品が多いが、イメージセンサーが大きくないと光量不足やノイズ発生の原因にもなったりするので、画像の解像度に合わせたイメージセンサーのサイズは注目しておきたい。

●720p(1280×720px)、SXGA→イメージセンサーの推奨サイズ【1/4〜1/3.6】
●フルHD(1920×1080)、QXGA(2048×1536)、WUXGA(1920×1200)→イメージセンサーの推奨サイズ【1/2.8〜2/3】

Aレンズ等の光学機器の性能
カメラのレンズ性能を現わすのはF値。F値はレンズの最大の明るさを示す数値と、撮影時の絞り値のことを現わす数値で数字が少ないほど性能が良いレンズということになる。

値段が高いカメラに使われているレンズのF値はF1.2〜2.8くらい。30万円クラスの望遠レンズならF1.4〜16まで広範囲に対応している。

防犯カメラのスペック表を見てもこのF値が不明な製品も多いので、200万画素!や4K!と豪語していてもF値の記載が無いとちょっと性能を疑ってしまう。

箱型カメラはレンズ交換が出来るタイプもあり、遠隔でパン、チルト、ズーム操作が出来るものもあるが、ズームをするとレンズ内は暗くなってしまうので、明るさに対応したF値が出来るだけ少ないレンズを選ぶ必要がある。

B耐久性
キャノン、ソニー、パナソニック、PSDなどの国産メーカーであれば耐久性実験を行っているので問題ない。
結露対策や稼動温度範囲が狭く設定されているカメラはこういった耐久性が乏しいということになる。
−10度〜+60度くらいまでの耐久性が望ましい。

もっと細かく言えばカメラの頭脳ともいえるLSIの性能がどうなのか?といったところも気になるところだが、こればっかりは各社で開発にどれだけ力を入れているかが分かれる為、正直「使ってみないと何とも言えない」ともいえる。
イメージセンサと同じくLSIに関しても価格が低ければ低いほどそれなりのスペックの物しか使えないので、撮られた映像もそれなりと思った方が良いだろう。(特に中国製の激安防犯カメラなど)


防犯カメラの機能

防犯カメラの性能

 

性能と機能と何が違うのかというと、「性能=能力」、「機能=働き」ということ。

この項目では防犯カメラの「機能=働き」に関して説明する。

WDR・・・WDRとはWide Dynamic Rangeの略で、ダイナミックレンジの幅が広い、つまり明るいところの照度と暗いところの照度の幅が広いということ。
WDR機能付のカメラは、1/120秒ごとにシャッターを切り、明るい部分を補正した絵と、暗い部分を補正した絵を、デジタル処理で合成し、明るい被写体も暗い被写体も鮮明に見ることができるようになる機能。
AXIS社「ダイナミックキャプチャ」、Panasonic社「スーパーダイナミック方式」、SONY社「View-DR(ビューディーアール)」などがある。
D-WDRとWDRは違いがあり、D-WDRはデジタル回路で明暗部の調整を電気的に処理するのに比べ、WDRはダブルスキャンに対応しているイメージセンサを使用している。
D-WDRとWDRはどっちがいいか?と言われると技術の進歩は日進月歩なのでどちらとも言い切れないが、イメージセンサの機能向上と共に明るい被写体と暗い被写体のデジタル補正が行えるWDRの方が性能が高いといえよう。

スマートIR・・・WDRに加えスマートIRに対応した防犯カメラがある。スマートIRは赤外線(IR)カメラで夜間撮影時に対象物が近くにあったり、赤外線性能が強すぎると赤外線が反射し、 白飛びしてしまうが、 スマートIRカメラは適度な明るさに調整し、白飛びすることなく撮影可能にする機能。
スマートIRの機能説明はコチラの製品説明が分かりやすい⇒AHD200万画素屋外用カメラ(オートフォーカス&ズーム・赤外線)テルスター TR?H220VZ

2D/3D DNR・・・デジタルノイズリダクションのことで、2D(2次元)と3D(3次元)のノイズリダクションの違いは以下の通り。

  • 2D-DNR・・・1枚のフレーム内でノイズを検出して除去。
  • 3D-DNR・・・2次元の平面画像の時間軸方向に比較してノイズを検出して除去。

HD-TVI(Transport Video Interface )・・・監視カメラの規格で、アメリカのTech Point社が開発したHD-TVIチップを搭載したカメラの総称。映像信号送受信方式の技術的進化により、既存同軸ケーブル(5C-2V)で最大500mまでフルハイビジョン映像伝送ができる規格。プログレッシブスキャン方式を採用しているため、映像のちらつきを抑えた、滑らかな動画映像を実現し、映像静止時の画質も向上している点がポイント。

ワンケーブル対応・・・2ケーブルタイプの場合電源と映像を別の配線でやり取りするが、ワンケーブルの防犯カメラは1本のケーブルで電源と映像信号をやり取りする為、防犯カメラの近くに電源が不必要となる。2ケーブルの場合は機器コストを抑えて導入でき、相性に左右されず幅広い機器を接続できるという利点がある反面配線の工数増加と機器周辺にケーブルが多くなることで、周辺が煩雑になってしまうデメリットがある。

AHD・・・(Analog High Definition)アナログ規格で高画質の映像出力を可能とした映像方式。 従来のアナログカメラと比較し、メガピクセル(224万画素)画質による監視を行うことができ、長距離伝送化による設置効率化やコスト削減を図ることも可能。
カメラ側(CORDER)かあるいは録画用のレコーダー側(DECORDER)のイメージチップでフルハイビジョン(1920×1080)化する技術が近年開発されたが、開発会社によってHD-TVI方式、HD-CVI方式、HD-SDIといったように名称が異なる。
カメラや録画機の解像度はイメージチップの高画質化に伴いフルハイビジョンで監視が出来るようになりましたが、カメラのレンズ性能、CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)や確認用のモニターによっても確認時の見え方が変わる。
EX-SDIカメラの場合、新しい映像伝送方式によって配線の距離がHD-SDI(100m)に対し、EX-SDI(400m)と飛躍的に伸びている。

バリフォーカルレンズ・・・ズームレンズなどに代表される焦点距離を変えることが出来るレンズ。デジタルカメラでオートフォーカスに対応できるようになった1990年代以降防犯カメラや監視カメラなどで用いられるようになった。可変焦点レンズともいう

H.264・・・録画方式のことでMPEG-4 AVC(エムペグフォーエーブイシー)とも呼ばれ、、動画圧縮規格の一つ。従来方式であるMPEG-2などの2倍以上の圧縮効率を実現。H.265はその後続の規格で、H.264/AVCとの比較でも約2倍の圧縮性能を有する。さらに後続の規格H.266は2020年にITU-T(国際電気通信連合の部門)が承認する予定。

デイナイト機能・・・昼間でも夜間でも録画が出来るカメラ機能のこと。日中はカラー映像を生成し、照度がある一定のレベルを下回ると、自動的にナイトモードに切り替わり、近赤外線 (IR) を利用して高画質の白黒映像を生成する。

ハードディスク録画機・・・防犯カメラが捉えた映像を記録することが出来る。ハードディスクの容量によって録画時間が異なるが、1TBあれば4台接続のカメラの映像をおよそ10日間分保存することが出来る。(40FPSの場合)

SDカード録画・・・防犯カメラに直接SDカードを差して映像データを保存する方式。フレームレート25FPS、フルHD(1920×1080)SDカード128GBで115時間(約5日近く)保存することが出来る。